花(植物)を愛でる心
えー、私macoZyは数年前まで、花や植物を見ても、大して何の感情も覚える事もない、
「花(植物)を愛でる心」をこれっぽちも持ち合わせない、そんな人間でありました・・・
例えば花見。
「桜の花より酒!」
道端に咲く菜の花。
「これって食べれないの?」
というような状態で
花や植物を目にして、そこそこ
「きれいだな」
と思っても、
それを愛する心はほとんどありませんでした。
そんな私をちょっぴり変えたのは、一輪の花でした・・・。
嫁が仕事をやめたとき、同僚の方々から花をもらってきました。
花束ではなく、何種類かの花が別々の鉢に入れてあり、それをバスケットに詰め合わせたものでした。
もらってきた花は、まだつぼみのものあったので、
それを咲かすため、
嫁がそれぞれの花の手入れしていました。
水をあげるのはもちろんのこと、
フラワーショップで栄養剤を購入し、花達にあたえていました。
あまり趣味の多くない嫁なので、
「ガーデニングが趣味の一つになれば良いのになぁ・・・」、
と思いながら、
いそいそと花の手入れをする嫁の姿を、
私は、
遠くからぼんやり見ているだけでした・・・
嫁の手入れで、全ての鉢がきれいに花を咲かせました。
いろいろな花達が咲き誇り、
今までにないくらい、ベランダがにぎやかになりました。
全ての鉢が花をつけたことで、嫁は達成感と満足感を感じていたようです。
とても楽しげに手入れを続けていました。
そして、時は流れ、すべての鉢が咲き終えた後、
やがてほとんどの鉢が枯れて行きました。
何か一つの事をやり遂げた満足感からでしょうか、
また、さっぱりした性格だからでしょうか、
嫁は枯れてしまった鉢達をきれいに片付けて
いつしか、ガーデニングをスッパリやめてしまいました。
せっかく続けていたガーデニングをやめてしまうのかと、
私は残念でなりませんでしたが、
どうする事も出来ず、
あきらめていました。。。
そんな中、
一つの鉢だけ、葉っぱのみが残っているものがあり、
その鉢だけは、嫁も片付けずにそのままにしていました。
その鉢を見て、私は、
「嫁にどうにかガーデニングを続けてほしい」
という気持ちで、
その葉っぱのみ残った鉢に、たまにではありますが、水をあげるようになりました。
そうは言っても、
そもそも花や植物に興味の無い私なので、ベランダに別の用事で出て、
気が付いたら水をあげる程度で、
世話をしていると言えるような状態ではありませんでした。
そんな状態であるがゆえに、長期間水をあげるのを忘れたことがありました。
長期間水をあげていない事に、ふと気がついて、見てみたところ、
当然、葉っぱも枯れかけ、茶色になっていました。
「もう駄目かな?」と思いつつも、その日は水をあたえました。
そして、
次の日、たいした期待もせずにベランダに出てみました。
「ん!?」
なんてことでしょう!
青々とした葉っぱに戻っているではありませんか!!!
そんな姿に、ちょっと、植物の生命力に感動を覚え、
また、
水しか与えていないのに、ちゃんと応えてくれる事にも、嬉しさを感じました。
その日を期に、
葉っぱしかないその鉢に、なるべく欠かさず水だけはあたえ続けました。
何日も何日も・・・
それに応えるように
いつまでも緑色の葉が青々と育っていきました・・・
そんなこんなで約1年、枯らさぬ程度に水をあたえ続けたある日、
葉っぱの中に何かいつもと違うものが、1本生えてきている事に気がつきました。
「もしや!?」
とは思いつつも、期待をしながら数日様子をうかがっていると、
やはりそれが花のつぼみであることがわかりました!
水をあたえながら、さらに数日、ついにその日がやってきました。
そうです!花が咲いたのです!!!
(えー、ここで、普通の人なら、それはそれは美しい花が咲いたに違いない!
と、ご想像すると思いますが・・・)
一輪咲いたその花といいますと、正直、美しいどころか、
花びらバラバラ、形もいびつで
見た目はかなり
ブサイク!
な花でありました・・・
でも、たいした愛情も注がず、とりあえずの水しかあげてないのに、
なんとも、けなげに花を咲かせてくれた事がとても嬉しく、
また、たとえキレイな花でなくても、なんだかとても、いとおしく思えました。
そんなこんなで数日間、私を楽しませてくれた、その花でしたが、
咲いた花はいつしか散るもの。
いつの日か散り、やがてしおれてしまいました。
花が散った後も、水を与え続けましたが、
一輪の花を咲かすために、全ての力を費やしたのでしょうか。
とうとう、残った葉っぱも緑を失い、ついには枯れてしまいました。
枯れてしまったのはちょっと残念でしたが、
そうはいっても、それほど、悲しいとは感じていませんでした。
しかし、数日後、
いつものように、ベランダに出て、タバコに火をつけ、
今は土だけが残る、その鉢をぼーっと見ていると、
私は何か、
今までとは違う感覚が心の中に存在している事に気が付いたのです。
そうです。
一輪咲いた花は、散ってしまい、葉も枯れてしまったけれども、
間違い無く、私の心の中に
「花を愛でる心」
が芽生えていることを・・・
と、まぁ、長々と書き綴りましたが、
結局、ガーデニングは嫁ではなく、
私の趣味になってしまいました。
↑(本末転倒気味)↑
今は、土をいじるのが結構楽しいです。
植物ってほんとに偉いもんで、
水しか与えてないのに、ちゃんと応えてくれるんですよね。
(そんな簡単でもないですが・・・)
ものぐさなmacoZyとしては、この、「水」だけで育ってくれる手軽さが、
たまらなく良いのです。
だから、これからもこの趣味を、地道に続けていこうと思っています!
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